めまいに対する鍼灸治療
めまいは、一般的な医療では改善しない場合が多く、鍼灸治療が奏功するケースが際立つ症状の一つです。
当院では、めまいに対する鍼灸治療を専門的に行っていますので、豊富な臨床経験と実績があります。
めまいを起こす病気には様々なものがあります。同じめまいでも原因によって治療方法は異なります。
めまいの原因となる代表的な病気・疾患をご紹介しますので、ご自身のめまいに近いものを探して、リンクボタンから詳細をご覧ください。
良性発作性頭位めまい症
頭の向きを変えたり、起き上がる際にぐるぐる回る「回転性のめまい」が起こるが、安静にすると「めまい」が治まる。
めまいの継続時間は10~20秒と比較的短いのが特徴です。
良性発作性頭位めまい症に対しての鍼灸治療は、耳の奥にある内耳という場所の細胞の代謝を正常化するために血流の促進を目指します。
主には、後頭下筋群と呼ばれる後頭部の筋肉や耳に関連の深い側頭部の筋肉の硬さを緩和する治療をしていきます。
メニエール症
ぐるぐる回る「回転性のめまい」で耳鳴り・難聴をともない、症状が繰り返し起こる。
繰り返し発症していないとメニエール病とは判断できません。
また、メニエール病のめまいは10分程度~数時間継続する場合もあり、数十秒の短い時間のめまいは他の疾患が考えられます。
以前は、40歳前後に多いとされていましたが、70歳代で発症することもあります。
鍼灸治療では、耳の奥にある内耳のむくみを取るために、内耳の血流循環の促進を目指します。
内耳に血液を届ける動脈は、首の骨の中を通る椎骨動脈の枝であることが多いです。
そのため、首の筋肉の硬さが内耳の血流に影響している場合もあります。
また、内耳のむくみがある方は、耳だけでなく全身の血液循環が悪く、冷えなどの症状もある方は、体全体を包括的に治療する必要があります。
中耳炎
「中耳炎」にともなって、ぐるぐる回る「回転性のめまい」がする。
中耳炎は、「耳管」を経由して「中耳腔」へ細菌などが侵入することで発症します。
風邪に伴って発症したり、慣習的に鼻をすすっていると、中耳腔へ細菌などを吸い込みやすくなってしまいます。
また、耳管が短く水平に近い10歳以下の小児に起こりやすいとされます。
症状が出ている場所を直接刺激しなくても、遠隔から治療することが可能なことが鍼灸治療の優れた点の一つです。
中耳は、鼓膜の中にあるため、直接的な処置が困難な部位です。
鍼灸治療では、顔や首、頭皮などの比較的耳に近い部位だけでなく、足や手などの耳から離れた部位からも中耳炎を治療することができます。
自律神経失調症
自律神経系の機能低下に由来する「めまい」。全身倦怠感や頭痛や不眠症など他の様々な症状を伴います。
病院などで検査しても、原因が分からない症状は、「自律神経系」の働きが鈍っているからかもしれません。
自律神経系の働きが弱まると、あらゆる不定愁訴を感じてしまいます。
全身に複数のお悩みをお持ちの方は、自律神経系の働きを高めることが大切です。
そして、この自律神経系の失調には鍼灸治療が効果的です。
頚性めまい症
肩こりや頚椎症、椎骨動脈の循環不良など首や肩の筋肉や関節の硬さや血流の悪さによっておこる「めまい」です。
マッサージなどの手技による治療でも首や肩の筋肉の硬さを緩和することは可能ですが、めまいの症状を軽減させるためには首・肩の深層の筋肉の硬さを軽減させる必要があります。
鍼灸治療では、体表からではアプローチが難しい深部の筋肉を直接刺激して硬さを取ることが可能なので、この頚性めまい症に対して効果的なのです。
めまいの鍼灸治療のまとめ
鍼灸治療では、めまいの治療法が数多く存在します。
鍼灸学的な治療法では、耳の周辺だけでなく、全身のあらゆる場所からめまいの症状を治療することが可能です。
脳腫瘍や聴神経腫瘍などによる、めまいは鍼灸治療の不適応ですが、一般的なめまいの7割方は鍼灸治療で軽快します。
治療期間には個人差がありますが、週に1~2回の通院ペースで2~3か月で軽快される方が多いです。
症状が軽い方は数回で改善される方もいれば、半年以上の治療期間を要する方もいます。
めまいにお悩みの方は一度は鍼灸治療を試してみることをお勧めします。お気軽にご相談ください。
参考:めまいと鍼灸治療
「めまい」の代表的な治療のポイント
顖会(しんえ)
前頭頂部の中央にあるポイントで、前髪の生え際から指三本分後方に位置します。
この経穴(ツボ)の名前に使われている「顖」という文字は、「大泉門」を表しています。
大泉門とは、生後1年半~2年で閉鎖される頭蓋骨の継ぎ目となっている部分です。この大泉門は、前頭骨と二つの側頭骨が癒合するポイントですが、成人であれば触知するのは難しいです。
めまいが発症する方の多くに、このポイントでの圧痛が認められます。
また、押すと頭皮の感触がむにょむにょしている場合もあります。この場合、体液の循環不良が起きていて頭がむくんでいる状態です。頭部のむくみは、めまいだけでなく他の様々な症状の引き金にもなりうるので、早期の治療が必要です。
期門(きもん)
めまいは、鍼灸学的な観点では肝臓や肝臓の経絡に関わるとされています。
肝臓の経絡は、足の親指から上腹部まで上行しています。
肝臓の経絡の中でも「募穴(ぼけつ)」という重要な経穴である「期門(きもん)」は、めまいの症状において多用されます。
この期門は、肝臓の経絡の最後の経穴であり、12本ある経絡の最後の経穴でもあります。
解剖学的にも肝臓の近くに位置しているため、肝臓と関係が深い病には多々用いられる経穴です。
この他にも足の親指にある「大敦(だいとん)」や膝の内側にある「曲泉(きょくせん)」も肝臓の経絡に所属しますが、どちらもめまいの治療によく使用されます。
めまいのくるくる、むかむか
めまいの辛さは、体験者にしか分からない、何とも耐え難い不快感を伴います。めまいの症状は、私たちの日常生活に甚大な影響を及ぼします。
めまい発症の原因は、人によってさまざまですが、単純な心のストレス過多でも発症しえるものです。めまいを起こす方の多くは、几帳面、生真面目であったり、実直で心がまっすぐな方が多いと言われていますから、それだけストレスを受けやすい方に発症しやすい傾向があるとも言えます。
めまいは、耳鳴りや難聴をともなったり、睡眠障害が原因であこることもあるので、下記のページもご参照ください。