灸師 中川 照久 2020/5/25更新 

 

打撲(打ち身)とは?

打撲とは、転倒や交通事故などの際に、身体の一部を強くぶつけると、皮膚や皮下の組織が損傷してしまう怪我の一種です。

内出血や腫れを伴う場合もあります。

軽度であれば、1~3週間ほどで自然に治っていきますが、放置してしまうと動かしにくさや違和感が残ってしまうこともあるため、受傷から1~2か月はしっかりと治療を受けることをお勧めしています。

打撲は、鍼灸治療によって回復期間を早めることが出来ます。

日常生活に支障があり、一刻も早い回復を望まれる方は、是非ご相談ください。

当室は整形外科付属の鍼灸室ですので、交通事故の際の治療も受け付けております。

打撲の対処法

すぐにPRICES(プライシーズ)処置

P→(Protect = 保護)

ケガをした場所にこれ以上、体重や負荷がかからない姿勢や体勢を取ってください。

スポーツ中であれば、安全な場所に避難しましょう。

R→(Rest = 安静) 

治癒を早めるためには、できるだけ体力の消耗を抑えるために、安静にして休息を取ります。

I→(Ice = 冷却)

傷ついた組織から流出した細胞液や血液の量が多すぎると、血流が渋滞してしまい、細胞に栄養や酸素が届きにくくなってしまいます。

これを「二次性の低酸素障害」といいます。

二次性の低酸素障害が起きると、細胞が死滅して治癒が遅れてしまいます。

これを防ぐためには、氷嚢やアイスパックなどで患部を冷やすことで血管を収縮させて、血流の渋滞を防ぐことが肝要です。

C→(Compression = 圧迫)

患部の腫れが大きすぎても、二次性の低酸素障害が起きてしまいます。

そのため、腫れが出現しそうな場所をスポンジやテーピングなどで圧迫して、過剰な体液の流入を防ぎます。

E→(Elevation = 挙上)

患部を心臓より上にあげて、過剰な血の患部への流入を妨げて、腫れを防止します。

S→(Stabilization = 固定)

身体の治癒力を最大限に引き出すためには、日用生活で患部に負担がかからないようにすることが大事です。

そのためには、けがをした場所が動かないように、包帯やテーピングで固定する必要があります。

 

打撲への鍼灸治療

日本の戦国時代や中国の三国時代などの戦乱の時代に、鍼灸治療は多くの戦傷者を癒してきました。

ですので、打撲などのケガなどに対する鍼灸の治療法は多岐にわたります。

腫れを防いだり、内出血の吸収を促したりすることで、格段に回復を早めることができるのです。

治療する場所は患部ではなく、患部の周辺です。

打撲などの外傷の治癒の仕方は、けがをした直後の対処に左右されるので、ぜひお早めにご相談ください。

当室の鍼灸治療の3つの強み