東京駅前鍼灸院 院長 中川 照久
2025/4/16更新
東京駅・日本橋駅の鍼灸院
東京駅前鍼灸院 院長 中川 照久
2025/4/16更新
鍼の効果について
鍼治療の経験がない方にとって、鍼がどのように効果を発揮するのかということは、なかなか想像が難しいのではないでしょうか。
鍼による治療は、実に多岐にわたる効果を発揮し、あなたを悩ませている様々な症状を解決する画期的な方法の一つです。
鍼治療がどのようなものかまだよく分からない方には、是非知っていただきたい鍼の6つの効果についてご説明いたします。
1. 交感神経の抑制
✔ 脳の疲労で交感神経の働きが過剰に
過労や睡眠の質の低下などによって脳疲労が起こると、交感神経系の働きが過剰になることがあります。
交感神経はノルアドレナリンを放出することで、筋肉の緊張を高めたり血液の流れ悪くしたりします。
脳疲労により脳機能が低下すると、身体が危機に備え戦闘状態になってしまうのです。
✔ 交感神経を正常化する鍼の力
鍼の刺激は、交感神経が出すノルアドレナリンよりも優先的に神経に伝わるため、交感神経の過剰な働きを抑えることができます。
交感神経の働きを正常化することで、筋肉の緊張を緩和したり、血液の流れを良くすることができます。
2. 血液の流れを改善する。
✔ 血液は細胞のライフライン
血液は、全身の細胞たちにエネルギーと酸素を送り届けています。
そのため、血液が完全に断たれると細胞は死んでしまいます。
血液は、細胞にとってのライフラインです。
血液の量が足りないと、細胞たちは緊急事態を知らせる信号としての「痛み」や違和感を出すのです。
✔ 血管を拡げる鍼の力
血管を道路に例えると、道幅が狭くなってしまい、渋滞を引き起こしてしまうのです。
鍼の刺激は、血管を拡げる化学物質(CGRPやサブスタンスP)を放出させて、血液の通り道を拡張します。
血管が拡張することで、血液の渋滞が解消されて、細胞に十分なエネルギーや酸素が供給されることで、痛みや違和感が消失するのです。
3. 快楽物質を出させる。
✔ 脳に、‟ご褒美”を与える。
鍼の刺激が加わると、エンドルフィンなどの化学物質が放出されます。
エンドルフィンは、痛みを抑える鎮痛効果とともに脳に対して快楽物質として働きます。
「ランナーズ・ハイ」などの現象もこのエンドルフィンによるものとされています。
普段、非常に働き者の脳細胞にとって、鍼の刺激は何よりの報酬なのです。
4. 痛みを感じにくくする。
✔「痛いの痛いの飛んで行け」の原理
痛みは、末梢神経が感じ取り、脊髄を通して脳まで伝達されます。
末梢神経に鍼の刺激が加わると、鍼の刺激が元々の痛みより優先されて脳へ伝わるため、痛みが緩和されます。
「痛いの痛いの飛んで行け」は「擦る」ことで同じ現象が起こりますが、鍼の刺激は人間の体にとって特殊な刺激なので、擦るよりも効果的に痛みを抑制することができるのです。
5. 痛みの伝達を抑える。
✔ ゲートコントロール
前述の通り、痛みの刺激は、末梢神経を伝わり、脊髄を通って脳に伝わって知覚されます。
一方で、鍼の刺激も末梢神経を伝わって脊髄を通過します。
鍼の刺激が、脊髄にあって痛みの情報伝達の中継をするT細胞を抑制します。
すると、脊髄から脳へ伝わる痛みが弱まります。
これを「ゲートコントロール」と呼びます。
1965年に英国人のパトリック・D・ウォールとカナダ人のロナルド・メルザックが発表した仮説です。
6. 免疫力を上げる。
✔ 白血球を鍼で教育する。
白血球は、人間の身体を守る軍隊のようなものです。
つまり、免疫力は白血球の強さに基づくのです。
鍼は、体内に入ると異物とみなされるので白血球が出動して、活性化します。
ですので、鍼の刺激によって定期的に白血球の訓練を行うことで、免疫力が上がるのです。
✔ 鍼灸師は、風邪の治療ができて「一人前」
鍼灸では、風邪などのウイルス性の疾患も治療することができます。
鍼灸師は元来、内科系の疾患を専門とする職業だったことから、「風邪の治療ができて初めて鍼灸師は一人前だ」という専門家もいます。
鍼灸師がウイルスや細菌による疾患を治療するとき、ウイルスや細菌をやっつけるのではなく、鍼や灸で身体の免疫力を高めることで、ウイルスや細菌に勝てる身体を作るのです。